両国湯屋江戸遊

EDOYU

PHOTO : TANK99 / 高山幸三

NOTES

江戸人が守り続けた"粋"というスタイルにこだわります。湯を媒体とした江戸人のコミュニケーションの場として創造します。

形を模倣するのではなく、様式の成り立ちと意味を継承します。

江戸の文化や伝統を守りながら変革する、時代性と普遍性を兼ね備えた場を創ります。

伝統的な江戸の紋様をモチーフにしてそれぞれの特色を持つ"湯・空間"を演出します。

日本古来の月々の呼び名とその意味をモチーフにして空間のコンセプトとします。

江戸遊/岩盤浴/デザインコンセプト

stone spa 青海波/sei・kai・ha

遠赤外線の効果で体内の老廃物を汗として排出させる効能を持つ岩盤浴。

ヒーリング効果、癒しの空間、リラックスする非現実の空間、

壁全体が発光する光の環境が、影の無い全てを包み込む無重力の空間を創り、非現実的な世界を創る。日本の伝統的な素材である木と紙と土、それらで構成する有機的な空間に"籠る"。

あからさまでない、さり気なさが江戸の"こころ粋"を表現します。

空間は、リラックスルームとベッドルーム(岩盤浴ベッド)、二つの空間をつなげる庭(露地)とに別れます。

リラックスルームは、他の空間からベッドルーム(岩盤浴ベッド)への間にある意識の変換装置としての役割を持ちます。ニュートラルではあるけれど、無垢の木の素材感(ウズクリと名栗による足裏で感じる質感の違い)や土壁による手仕事の質感、竹で編み込まれた座り心地の良いパーソナルソファーが洗練された日本古来の"さり気ないもてなしの心"を表します。

ベットルーム(岩盤浴ベッド)へは、江戸の銭湯をイメージさせる"ざくろ口"を潜って入ります。この"ざくろ口"はベットルーム(岩盤浴ベッド)を取り囲む真っ白な漆喰の壁となり天井となって、距離感を曖昧にし空間に観念的な広がりを与えています。また、この漆喰壁にはLEDを等間隔に漉き込みコンピューターによる制御によって、岩盤浴の入浴サイクルである20分を知らせる時計の役割を持たせています。

このエリア全体を定義ずける要素は、光の環境です。太陽の光に象徴されるように現実の明かりは常に上方から照らされます。ここでは天井からの明かりを一切使わず床と壁からの配光で計画しています。(これは、日本の燭台によるろうそくの明かり環境を意味します。)伝統的な江戸の紋様である青海波を漉き込んだ和紙を挟み込んだ無反射ガラスを発光させることで、影の無い、重力を感じさせない、現実の世界から解き放たれた非現実の世界へとイメージを増幅させます。

それぞれに、伝統的な日本の建築素材である木と紙と土、有機的な素材で構成された空間を浮遊感のある光が漂います。岩盤浴は、湯の無い風呂です。あふれる光が滾々と湧き出る湯をイメージします。

SPECIFICATIONS

WEBSITE
http://www.edoyu.com/ryougoku/index.html
所在地
東京都墨田区亀沢1-5-8
1-5-8 Kamezawa,Sumida-ku,TOKYO,JAPAN
撮影
TANK99 / 高山幸三