NOTES
遠視認性と近視認性
京都三条大橋の西詰、大正元年より京飴をつくり続ける御所飴本舗を改装させていただきました。
大正時代の近代モダニズム建築である本ビルの意匠の持つ老舗感に加え、飴つくりに欠かせない銅鍋の雰囲気を日本の伝統的な銅板葺の屋根と門扉で、「飴屋」のアイデンティティを表現することで、通りからの視認性を高めました。
店舗は、御所飴ビルのファサードデザインで使用されている御影石のそのモジュールが内部へと連続し、テクスチャーのつけられた漆喰の壁天井が柔らかなあかりを充満させ、奥の工房をイメージした銅の半斗缶の積み上げられた壁面へと誘います。構成される販売什器も現代的な白樺材と銅板の積層合板で組み立て、高さを高くしてお客様と目線を近づけ小さな飴を見やすく手に取りやすい様にしました。
店舗デザインは商品に込められたメッセージを伝える手段のひとつです。
特に小さな物販店では、遠視認性(遠くから見て何屋かすぐに解る)と近視認性(近くで見て製品の特性が良く解る)の明確化が重要なデザインとなります。
※shop design concept
代々続く本手造りの丁寧で丹精込めたものづくりを環境デザインで表現し、実直に美味しく(後味の良さ)美しい飴の価値を丁寧に伝える。
老舗感=未来の老舗に繋がる伝統的建築様式の軸線上にあるモダンデザイン。
※銅板葺きについて
銅板葺は、一尺二寸長さ四尺(45㎝x 152㎝)の定尺の鋼板を何等分かに裁断して使います。葺き方は、鋼板を屋根面の水平方向に一直線になるように、また、水上・水下の屋根材の真ん中に目地をもってくる平葺が用いられ、一文字葺(いちもんじぶき)と呼ばれます。 また、出隅の軒先の角は、蛤葺(はまぐりぶき)という蛤貝に似た曲面に葺くため、扇面状に裁断した銅板を加工して継ぎ合わせて葺いていきます。
SPECIFICATIONS
- クライアント
 - 株式会社 御所飴本舗
 - WEBSITE
 - https://www.goshoame.co.jp
 - 所在地
 - 京都府京都市中京区中島町98
98, Nakajima-cho, Nakagyou-ku, Kyoto - 竣工
 - 2024年3月 9日
 - 設計
 - 辻村久信 橋諒磨
 - 協力
 - 照明計画 株式会社モデュレックス 池田 淳・泉 香葉
 - 施工
 - 株式会社アプト 廣野 和也
 - 撮影
 - YFT 山田 圭司郎
 - 工事種別
 - 改修
 - 用途
 - 物販店舗
 - 計画面積
 - 38.45㎡
 - 工期
 - 2023年10月 4日〜2023年10月18日
※2期工事 2024年3月4日〜2024年3月9日 - 施工協力
 - 照明器具 モデュレックス 池田 淳・尾谷 聡 
金物 コンブ金物店 昆布 雅彦
モニター クラウドポイント 奥田 恭行・赤井 桜 - マテリアル
 - 床  既存タイル材
壁 既存左官仕上げの上、AEP塗装.白
天井 既存左官仕上げの上、AEP塗装.白 - 平面図
 

















