NOTES
一般的には、酒宴は夜に行うものという認識があるが、昨今では昼に酒をたしなみたいという需要が顕在化しつつあり、食事だけではなく上質な酒類も提供する昼間営業のレストランが注目されている。一方、ワインの様な芸術性を兼ね備えた高品質な食品として珈琲を提供することを特徴とするサードウエーブのカフェショップ台頭から本来マニアと考えられる層の汎用化がとりだたされている。
本来、カクテル=バーテンダー、ワイン=ソムリエ、コーヒー=バリスタの様に作り手の技(職人技)によって変わる繊細な味の変化は「生ビール」にも存在する。
温度や湿度に関係するだけでなく、一度つぎ・二度つぎ・泡そのものを楽しむ「ミルコ」など、生ビールこそつぎ方そのもので激変する飲み物である。
昼夜問わずカフェの気軽さで来店し、職人技に出会えるbeer Cafeの提案に伴って生まれた「ビールサーバー」のデザインです。
アオゾラビールのサーバーは、現在多く普及している瞬冷式に対して「氷冷式」と呼ばれるタイプで、ビールの液体が通る管が氷で冷やされた"冷却コイル"を通っていく間に冷やされる方式で、継ぎ手の技が表現できるスウィングカランを採用しています。
信楽焼の陶器のフォルムと真鍮のコイルとスウィングカランで「技の」を表現する道具としてのビールサーバーをデザインしました。
※マルエフ
商品を開発する際、社内での呼び方として、「開発記号」というものを付けています。当商品については、当時の開発記号であった「マルエフ(F)」が、そのまま愛称として定着しております。
尚、「マルエフ」のエフは、低迷するアサヒを復活させたいという想いから、フェニックス(Phoenix)がもともとの由来でしたが、頭文字がPであったことが後から分かり、幸運(Fortunate)という由来にひっそりと訂正されました。こうした経緯から、缶体やPOPには、「Fortunate Phoenix」と表記を入れています。