豆腐空野 恵比寿店(renewal)

Tofu Sorano Ebisu

PHOTO : 繁田諭写真事務所/繁田諭

SPECIFICATIONS

所在地
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿4丁目7−2 シーズエビス 1F
〒150-0013 Shibuya-ku, Tokyo Ebisu 4-7-2 Seas Ebisu 1F
WEBSITE
https://www.foodgate.net
竣工年
2022
階数
1F
平面図
フォトグラファー
繁田諭写真事務所/繁田諭

NOTES

居酒屋+カフェ業態の新しいカタチ、水と炎の景色がつくる環境 / 豆腐空野 恵比寿店 

有機栽培丸大豆の最高峰北海道十勝産トヨマサリの更にその中でも厳選された大豆を濃厚な14度の高豆乳度で抽出した極上の豆乳を使用し、添加物や凝固剤を使用しない「昔からの豆腐」という食材を使ってまったく新しい料理を提供する豆腐空野/恵比寿店は、従来の居酒屋業態とカフェ業態のハイブリッドとしてポストコロナの新しい飲食店の提案として全面リニューアルしました。

従来の豆腐料理に加え、軽い豆腐スナックとアオゾラビール(アサヒビールの新業態)、お茶や豆腐スウィーツのカフェメニューをラインナップして、昼からアイドルタイム、夜への長時間の営業を可能にし、それを受けるカタチで、環境デザインも時間帯によってそれぞれの用途に雰囲気を変えられる様、抽象的な造形を照明によって浮かび上がらせます。

豆腐そのものの持つイメージをクライアントとの膨大なディスカッションの中から「清涼な水と炎」と導き出し、それをデザインコンセプトにして、清潔感と手作りの暖かさをテーマにデザインしました。主要なマテリアルになっている陶板タイルは「信楽焼の緋色」で、緋色は土に含まれる鉄分が焼成時に酸化することで、素地が赤褐色に発色する「自然の景色」を持っています。信楽の土に含まれる鉄分の量がちょうど良かったために、美しい緋色が生まれたとも言われています。本来、ガス窯や電気窯では表現することが難しい色ですが、特殊な釉薬を使うことで緋色を再現しています。 人肌のようなあたたかみがある信楽焼らしい色に仕上がっています。また、高騰する建築費に対するローコスト案として、建築躯体をひとつのデザイン資産として活用して、「スケルトンのRC構造の環境に上質な家具を置く」という様にデザインの力学にメリハリのある手法をとりました。

建築を限りある資源と解釈し、既存する建築の骨格を領域と捉えその内部に最小限の行為(デザイン)を持って飲食空間を成立させる。身体に近いほど柔らかく有機的な素材で、人との共感を誘発する。居心地の良い家具と光の演出でもって居心地の良い飲食空間を演出しています。