2010年02月06日
IFDA

IFDA(International furnishings and design association:www.ifda.com)の主催のデザイナーショーハウスが今日2月6日〜20日迄シーガルてんぽーざん大阪で開かれます。
デザイナーショーハウスは、約40年前アメリカで始まった歴史あるイベントです。
老朽化によって価値が損なわれつつある邸宅などに、インテリアデザイナーなどが個性あるデザインデコレーションで新たな命を吹き込み、これを一定期間一般公開します。
収益金は慈善団体などに寄付されるチャリティイベントであるため、デザイナーも運営ボランティアも来場者もデザインを通じてできる社会貢献に意義を感じることのできるイベントです。今回のショーハウスの収益金は、小児がん専門施設設立を目指すNPO法人チャイルド・ケモ・ハウスに寄付します。
「最愛の空間」というコンセプトでホテルの一室をデザインする。
何でもそうですがひとつの事を決めるのは大変難しいものです。大好きな食べ物ってなんですか?好きな色は?好きな服は?好きな場所は?どれもこれもその時と場合によって人は変わります。だから、これさえあれば大丈夫なんて言うものを持っている人ってある意味うらやましい限りです。
そこで、最愛の空間を考えるとき、結局、「空間を意識しない空間」というようにちょっと逃げ?て「景kei 」と名づける部屋をデザインしました。
レーザーカットで森の枝をイメージした薄い布を幾重にも重ねて、そこにあるべき壁の存在を消しています。また、葉っぱのテキスタイルデザインを京都の帯を織る技術で床に敷き詰め(このデザインはバスルームの床や衛生機器にもプリントされている。)、光りの差し込む角度によって見え方の変わる特殊な手法でその距離感を消失させています。
あくまでも、僕はホテルとして機能出来うる空間にリノベーションしましたが、残念ながら期間が過ぎると解体されてしまうようです。mottainaiことです。
デザイナーショーハウスのイベントの一環として、2月13日土曜日15時30分〜”最愛の空間—カフェのある老人ホームSARAの場合”というタイトルで講演させていただきます。入場料がかかりますが、チャリティーだと思ってぜひご参加ください。



最愛の空間 「景kei 」デザインコンセプト
「床の間の室礼や、借景という考え方に表される様に、空間に環境を取り込む感覚は“情緒”となって日本人の記憶の中に刷り込まれている。「最愛の空間」を考えた時、物理的な領域を規定しない想念の地平線を思い描きました。それは、現実の空間を飛び越えて、限りなく自由で、地球上で唯一束縛を受ける重力さえも軽減してしまう力を持っているのではないか。
幾つかの希薄な面が、それぞれに微妙な距離と角度を保ちながらその関係性を創っている。その単純な行為が、今そこにある空間を規定する領域を曖昧にして尚かつ劇的に変化させる。
(辻村 久信)
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2010年01月06日
あけましておめでとうございます " RE/再"
1995年〜2010年、事務所を独立して15年になります。
創業100年のお店が新参者ですといわれる様な京都にあっては、15年なんてスタートラインにもたてていない様なものですが、ひと独りの人生の中ではかなりの永い時間を占めています。デザインを仕事にしてしまって、その仕事に追われて、知らず知らずのうちに流してしまった、流されてしまった事もたくさんあります。昨年はこの15年を振り返り、自分と自分のデザインについてずいぶん長く考えました。
今年は”RE/再”です。
Reduce(リデュース:減らす)/Reuse(リユース:再利用)/Recycle(リサイクル:再資源化)/Refuse(リフォース:不要なものをなくす)/Repair(リペア:なおして使う)/Remix(リミックス:再編集)/Rethink(リシンク:再考する)/Rental(レンタル:借りる)/Return(リターン:戻す)/Reform(リフォーム:改良する)/Rebuy(リバイ:買う)/Regeneration(リジェネレイション:再生品)・・・
REに関連する言葉はたくさんあります。すべてに通じる事は、今そこにあるものに人の手や技術、想いを加える事によって新しい価値を生み出す事のようです。
経済をはじめとする物質的な成長はもはや神話の様になってしまった現代において、人が人として生きていく事の豊かさを享受してく為には今迄に無い価値を創造しなければなりません。
私は、日本人が日本人固有の情緒を持ってそのミッションを達成するのではないかと思っています。そして、それは世界を巻き込んで新しい世界基準として新たな未来につながっていくと思っています。その日本人の情緒を表現するものは、もはやデザインという手法ではくくれない”術”かも知れませんが、”RE/再”を考察する事によって見えてくる何かが”思考の種”を蒔く行為になるのかもしれません。
(辻村久信)
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2009年12月30日
仲佐猛さんの還暦のパーティーがありました。


仲佐さんの還暦を祝うパーティーがありました。
仲佐さん本人には、秘密に計画されました。僕もパーティーの発起人のお誘いを請けてお祝いに馳せ参じましたが、本当にたくさんの方々がお見えになっていました。この大勢の人達の笑顔に仲佐さんのお人柄が伺えます。
仲佐さんに初めて写真を撮っていただいたのは、芝浦の「食いしんぼ ままや」でした。1992年ですからずいぶん前になります。当時商店建築社の角田さんに紹介いただいて、清水の舞台から飛び降りる勢いでお願いしたのをおぼえています。それ迄あまり記録として作品を残す事をしなかった僕は、仲佐さんの写真をとおしてはじめて自分のデザインを作品として自覚した瞬間だったと思います。その後、常にデザインさせていただいたものに批評いただいたり、様々なメディアにご紹介いただいたり、叱咤激励していただいて今の僕があります。
たぶん、このパーティーの発起人になっている人を始めこのパーティーに来られているインテリアデザイナーは皆同じ様にお世話になっているに違いありません。
振り返って、自分が還暦になった時このようなパーティーは絶対にありません。人間の器が違います。
まっ、それ迄生きているかどうか怪しいものですが・・・。
(辻村久信)
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2009年12月25日
喫茶芦島について
来年の3月オープンを目標に京都で「喫茶店」をデザインしている。カフェでは無く、あくまでも「喫茶店」である。
現代の日本で巷に溢れるカフェは、様々に進化を繰り返しその業態自身の中でも様々に棲み分けされ、和風のものから多国籍のもの、ファストフードの様なものから地域性を持ったもの・・・「それは、バー?レストランでしょ」というものまで様々である。ふと見渡すと昔ながらの純喫茶と言われる様なものを見つける事が難しくなった様に思う。

芦島(葦島)=豊葦原中国(豐葦原中國 とよあしはらのなかつくに)
神々の住む天上世界である高天原と対比して、人間の住む日本の国土を指すと考えられる”豊葦原”は、豊かに葦の生い茂っている原の意で、日本国の美称である。この”豊葦原”を語源に持つ「喫茶 芦島」は、日本の新しい伝統となるべき喫茶スタイルの提案です。
100年喫茶店をコンセプトに時代が移り変わっても変わらない新しさと懐かしさを兼ね備えた空間を目指してデザインしています。
(辻村 久信)
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2009年12月21日
JCDデザインアワード 表彰式
JCDデザインアワードの表彰式が恵比寿のSPAZIOでありました。審査員を代表して出席させていただきました。
我々デザイナーは、基本的に黒子でいつもプロジェクトの表舞台にでる事はありません。まして、大勢の人に拍手をもらう事もありません。
商業施設等をデザインするとその施設を利用する大勢の人達の幸せそうな雰囲気それが拍手と感じられたりする事はありますが///
2009年大賞を受賞されたのは、中村竜治さんの「ブロッサム」でした。中村さんは「空気のような舞台」でも金賞を受賞されています。凛と張りつめた湖面に小石を投げてその波紋が永遠に広がっていく様な///詩的な環境を作られるデザイナーです。最終審査で最後迄戦ったDesignEightの藤井信介さんの「中勢以」とはいろんな意味で対照的な作品です。審査の当時は、僕は「中勢以」に投票しましたが、その後何度も何度もこの事を考える度「ブロッサム」の詩的な力が僕を揺り動かしています。
結局人の心を動かす事がコミュニケーションデザインであるなら、”上手なデザイン”より”情緒のデザイン”の方が琴線に触れる様な気がしています。雪月花やキッスオブルミネッセンスを作っていたときの突き動かされる理不尽な迄の力を思い出しました。

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