平成三十年 元旦

2018-01-01

長くデザインの仕事を生業としていると、プロジェクトのスケジュールが中心になって、

一年の終わりや始まりは、それほど意味を持ちません。

とはいえ、年末や元旦には、その一年を思う事になるわけですが、

いくつもの過去の後悔に反省し、新しく始まるであろう挑戦に意味もなくワクワクします。

この繰り返しは人間本来の能力である「忘れる」という能力のなせる技であると我ながら感心します。


元旦らしい?話題をひとつ。

我が家の近くに平安神宮があります。この平安神宮の大鳥居は、高さ24m。近くで見るととても巨大です。

間近で見るといつも日本万国博覧会の太陽の塔(高さ70m)を思い出して不思議だなと思っていました。


昨年末平安神宮敷地内でオープンする商業施設のデザイン の関係で、平安神宮を調べることがあったのですが

その成り立ちが日本万国博覧会のそれとよく似ていて勝手に腑に落としました。


平安神宮神宮の創設は、

明治28年平安遷都1100年を記念して京都で開催された第4回内国勧業博覧会の目玉として

平安京遷都当時の大内裏の一部を復元しようと計画されました。

幕末の戦乱で荒廃してしまった市街地に加え

明治維新によって首都が東京へ移されるなどした京都を憂う「京都市民の情熱」が

千年以上も栄え続けた京都の雅な姿を後世に伝えるためにこの美しい平安神宮を造り上げました。

一方、生産国として戦後復興した日本が、先進国の仲間入りを果たした象徴として

「人類の進歩と調和」をテーマに開催された日本万国博覧会。

そのお祭り広場にあった太陽の塔。

どちらも同じ大きなものへ向けての自身を誇示する博覧会のモニュメントだったんですね。


因みに、平安神宮の鳥居の設計は、関西建築界の父 武田五一。太陽の塔は言わずと知れた岡本太郎先生です。

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